前にどこかで書いたことだが、印象的なエピソードだったのでもう一度書く。
以前、とある朝の情報番組で、おすぎだったかピーコだったかが、司会者にオリンピックの話題を振られたことがある。
この時、彼女(あるいは彼)は
「ごめんなさい。アタシ興味ないのよ」
と即座にそう答えて会話を打ち切った。
「おお」
まったく予想していなかった受け答えだったので、私は意表を突かれた。と、同時に、とても爽やかな気持になった。
「ああ、この人はやっぱり必要な人なんだな」
と、この時私は、このおネエしゃべりのタレントさんがテレビで珍重される理由にはじめて思い至ったのである。自分が興味を持っていない事柄について、思っているとおりに興味がないと言い切れるコメンテーターは、実に、以外なほど稀有な存在なのである。
要するに、生放送のスタジオというのは、女装した男性や、日本語の達者な外国人や、並外れて太った人間でないと(つまり「異形」の存在でないと)本音が言えない空間なのである。それほど、一般の日本人は、他人と違う見解を持つことを恐れている。このことはつまり、時に応じておネエ系タレントのような治外法権の存在を配置しておかないと解毒できないほど、スタジオの空気が均一化していることを示している。われわれは、自分でうんざりしながらも、この状況をどうにもできずにいるのだ。
(via plasticdreams)